11月17日から19日まで岡山県で開催された「第41回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会」(通称:9ブロック大会)で関東選抜が4連覇を果たした。関東地区学生委員・安藤成美(神奈川大4年=横浜平沼)が取材した選手のコメント集。
終盤に得点を重ね関東が好スタート
▽予選リーグ①18日・岡山県営野球場
全関東 11010223 =10
全東北 10000020×=3
※時間規定により8回終了
【戦評】関東は初回から相手のエラーも絡み先制に成功。その裏同点に追いつかれるも、2回には川端(慶應義塾大4年)、4回には松浦(中央大2年)のタイムリーによって点差を広げる。その後も点を重ね、10-3で勝利を収めた。
・松浦祥真(中央大2年=掛川西)
(3打点の活躍)本年の9ブロックの初陣ということもあり、この試合が2試合目と明日の試合にも響くと思っていたので良い緊張感の中試合に臨む事が出来ました。自分が打つというより後ろに繋ぐ、チームの得点に貢献する為に何が出来るかを考えプレーしていたのが良い結果に繋がったと思います。明日の試合で日本一が決まるので優勝に貢献出来るプレーをしたいと思います。
・東海新(東海大4年=平塚学園)
(2本の二塁打を放ち、攻守に渡って活躍)大会4連覇のかかった大事な初戦だったので、チームの勢いをつける為の大事な初戦でした。初回の立ち上がりは両チームともに、不安定でした。しかし試合が進んでいく事によって緊張がほぐれていき、試合に必要なコミュニケーションも取れてきていました。初戦という独特な緊張感の中、後半にはヒットが多く出て、得点することが出来ました。序盤には緊張がありましたが、ピンチの場面で投手が粘ることも出来ていたので、最高の入りが出来たと思います。
山本の捕安、高垣の決勝2ランで決勝Tへ
▽予選リーグ②18日・岡山県営野球場
全関東 000000002=2
全北信越 000000000=0
【戦評】関東は先発の日比谷(慶應義塾大4年)が3回6奪三振の見事な投球で3回を投げ切る。その後、近野(神奈川大4年)、藤中(法政大3年)、石井(中央大4年)の継投も安定したピッチングで相手に1点も許さない。打撃は得点圏を生かせず8回まで無得点。このまま同点で終われば失点率で勝敗が決定するため予選リーグ敗退という9回表。山本(日本大3年)が奇襲のセーフティバントを決め、鈴木(法政大4年)の犠打で1死二塁。2死から、高垣(中央大3年)が初球を左翼越え2ラン。最後は山崎(帝京大4年)が三者凡退で完璧に抑え、決勝トーナメント進出を決めた。
・高垣昂平(中央3年=大崎)
(決勝トーナメントへ導く9回表の2ラン)ピッチャー陣が頑張って無失点に抑えてくれていたので、絶対に勝ちたいという気持ちでした。チャンスで打ててなかったので、最後の打席で最高の形になってくれてとても嬉しいです。明日もチームに貢献出来るように一生懸命頑張ります。
・日比谷元樹(慶應義塾大4年=慶應義塾)
(先発3回6奪三振の好投)試合を作ることを意識してテンポよくストライク先行で投げることができました。日本一になれるよう明日もがんばります!
強敵の全関西に6回の集中打で逆転
▽準決勝/19日・マスカットスタジアム
全関東 003000700=10
全関西 041000000=5
【戦評】関東は先発石井(中央大4年)が相手打線に捕まり、2回裏に4失点。3回表に相手のエラーで1点を返し、高垣(中央大3年)の二塁打で1点差まで詰め寄る。しかしその裏にまたしても1点を奪われ、3-5。主導権を握ることできない。試合が大きく動いたのは7回表。中島(日本大4年)のヒットから大きく流れが変わり、鈴木(法政大4年)、川端(慶應義塾大4年)、松浦(中央大2年)、吉田(専修大2年)、山口(中央大1年)と打線が続き一挙7点を挙げ逆転。ビッグイニングを作り決勝進出。
・山口剛大(中央大1年=大崎)
(3打点の活躍)序盤に自分たちのミスで4点を先制されましたが、誰1人焦ることなくヒットを繋いで点数を取り逆転する事が出来て良かったです。投手陣も4回から相手打線を0点に抑えて勝つことが出来たので良かったと思います。
・川端彪玄(慶應義塾大4年=日大二)
(7回逆転二塁打を放った)強豪の関西選抜相手ということもあり、序盤は相手の勢いに押されかけていましたが、自分たちなら大丈夫という気持ちを全員が持って戦っていました。
また逆転打の場面は、全員が繋いでくれたチャンスだったので、なんとしてでも一本出そうという気持ちで打席に入り、最高の結果を出せて良かったです。準決勝は関東選抜の底力を出せた最高の試合だったと思います。
中島のエンドランから逆転。TBを制する
▽決勝╱19日・マスカットスタジアム
全関東 0100000003=4
全九州 0010000001=2
※延長10回
【戦評】関東は、2回表に澤野(法政大4年)のタイムリーで先制するも、3回裏に同点とされる。そのまま両者譲ることなく9回の守りへ。石井(中央大4年)が9回裏1死一、三塁のピンチを招くが、気迫の投球0点に抑える。試合はタイブレークとなり、延長10回、先頭の中島(日本大4年)が初球からエンドランを仕掛け、打球は一、二塁間を破る右前打に。二走が生還し逆転。さらに2点を加え4-2で勝利。大会4連覇を果たした。
・石井竜弥(中央大4年=浦和学院)
(9回裏 1死一、三塁のピンチを抑えた)浅野監督からお前しかいないと言われて火がつきました。準決勝で不甲斐ない投球をしたのにも関わらず、決勝のマウンドに立たせて下さった監督、コーチ陣に感謝しております。
・中島健輔(日本大4年=日大鶴ヶ丘)
(延長10回タイブレークで逆転打を打った)決勝にふさわしい試合だったと思います。個人的にはこの大会良いところがなく、チームの足を引っ張っていたので、なんとかして塁に出て繋げようという意識でやっていました。投手陣の粘り強いピッチングのおかげでタイブレークにもつれ込むことができ、あの場面でエンドランを決めることができました。みんなが繋いだ場面だったので、なんとかして点を取ることができ、本当に良かったです。そして、4連覇を達成することができ、もう一度日本一の景色を見ることができて嬉しかったです。この大会を持って引退となりますが、準硬式の道を選んで本当に良かったです。
浅野監督の「オープンマインド」を実践し、他の手本となる振る舞いが優勝につながった
【総括】私はこの大会に、主務として帯同させていただきました。"主務"とは何なのだろうか。普段、自分のチームで行っているマネージャー業と同じことをやっているだけでは意味が無い。考えた結果、JUNKOを体現するような素晴らしい全関東選抜チームを作り、それを各地区に見てもらうこと、そして全国JUNKOのレベルアップに繋がる大会にすることが、主務の役割であるという結論に至りました。
そのようなチームになる上で、浅野修平監督(帝京大監督)の「オープンマインド」という言葉は非常に良い影響を与えました。限られた時間の中で、お互いに自分の心を開き意見を交わす、自分と合わなくても一旦相手の意見を受け入れてみる。チーム全員が沢山考え抜いてぶつかり合って、この全関東選抜チームでしか生まれない答えが導き出される。その深いコミュニケーションの中で、このチームで勝ちたいという思いを全員が強く持ちはじめました。今大会は非常に厳しい試合展開になる場面が多かったですが、「絶対に優勝したい」という強い思いが、最後まで諦めないプレーに繋がり、結果的に4連覇へ結びついたと考えております。
また実力の面だけでなく、「全関東選抜は全国のJUNKOのお手本である」という意識を全員が常に持ち、感謝や敬意の気持ちを忘れず行動したことで、目標としていたチームに少しでも近づいたのではないかと思います。
今大会を通して改めてJUNKOの素晴らしさに気づきました。ただ勝つことだけを目標としておらず、そこで培う人間性、今後役に立つであろう考え方や習慣が身につくものです。ただ正解がないからこそ難しい場面もあります。とにかく厳しくチームを作り上げるのも、楽しいをモットーにチームを作り上げることも間違っていません。ただそこで全員が互いに本音を交わし、話し合いを重ねることが何よりも重要であり、コミュニケーションがいかに大事であるかを学びました。
まだまだJUNKOの認知度は低いですが、だからこそ多くの可能性を秘めているスポーツです。まず重要なのは選手各々が誇りを持ってプレーすることだと思います。その為にも「準硬をやっていたんだ」と胸を張っていえる未来を作るために、私たちはさらに活動を広げていかなければならないと考えます。
最後になりますが、今大会にご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
(文/神奈川大4年・安藤成美=横浜平沼)