11月18日から20日まで福岡県で開催された「第40回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会」(通称:9ブロック大会)の関東選抜の戦いぶりを、関東地区学生委員・長田藍子(国士館大世田谷4年=白河旭)がレポートする。
■先発近野が3回無失点で好スタート
▽予選リーグ①/19日・桧原球場
全四国 0000000=0
全関東 104050✕=10
近野佑樹(中央大4年=浦和学院)
先発3回を被安打2、3奪三振、無四死球で無失点の好投。
「重要な初戦のマウンドを任せていただいたので、チームの流れを作ろうと思い、マウンドに上がりました。後ろにも頼もしいピッチャーが多く、打者も力のある選手が多かったので、ピッチングに集中することができました」
米良友宏(東海大4年=東海大浦安)
8番セカンドで2安打3打点、出塁率0.75と初戦から好成績を残す。東海大準硬らしい元気さを活かし、ベンチの中からもチームを引っ張った。
「日本一に向けて負けられない初戦だったので、チームを勢いづけようと試合に臨みました。自身の持ち前である右打ちが良い結果に繋がってよかったです」
■終盤に地力を発揮し逆転勝利
▽予選リーグ②/19日・桧原球場
全関東 00020430=9
全北海道 1002000✕=3
㓛刀史也(中央大2年=山梨学院)
3安打1打点の活躍。でチームの流れを引き寄せた。1点を追う6回には先頭打者で出塁し、流れを作り一挙4得点。打ってもよし、守ってもよし、さらには走ってもよしの3点揃いで2年生ながらもチームの原動力となった。
「2試合目は先生され、追いかける展開となりましたが、ワンチャンスを点に繋げられることができてよかったです。自分自身もチャンスや大事な場面で打席が回ってきましたが、関東選抜を優勝させるという気持ちで打席に入り、一本が出せてよかったです」。
■4回に石田の出塁で4点を一挙奪う
▽準決勝/20日・桧原球場
全北信越 000000010=1
全関東 00040220✕=8
石田玲央(日本大2年=東海大甲府)
3安打1打点の活躍。石田が打って出た時は必ず得点が入る。4回に石田が出塁したのを境に4得点。チームに勢いがついた。全北信越に1失点の快勝を果たした。
「周りのレベルが高い中で、楽しもうという気持ちと2年生らしくフレッシュな気持ちで臨みました。決勝戦は勝ちたいという気持ちを全面に出してプレーしていきたいです」
小栁翼(中央大3年=佐賀商)
準決勝で4打点を挙げ、チームに勢い付けた。準決勝時点で、全試合フル出場をしている。小泉友哉監督、田中啓介、磯貝貴大両コーチからも信頼が厚い。準決勝では打力だけではなく、バントなどの小技も見せた。
「三連覇がかかっている中で、絶対に負けられない試合でチームに貢献することができてよかったです。9番打者としてなんとしても1番に繋ぐという気持ちで打席に入った。コンパクトにスイングすることを心がけた結果、良い形となってよかった。決勝戦では、どのチームが来ても“打倒関東”で向かってくると思うので、自分達はチャレンジャーという気持ちを持って、チーム全員で繋いでどんな形でも最終的に相手より1点でも多く取って必ず三連覇を果たします」
■松本の逆転2ランで優勝決める
▽決勝/20日・春日公園球場
全東海 103000000=4
全関東 30040010✕=8
松本夕輝(専修大4年=多摩大目黒)
1点を追う4回、代打で登場した松本がライト方向への2ランホームランで逆転。この一打により全東海の勢いを止めた。三連覇につながる一発で勝負強さを発揮した。
「打った瞬間にホームランだと確信しました。準決勝ではヒットを打てず悔しい思いをしたので、絶対に打とうという気持ちで打席に入りました。相手投手は思った以上に速く感じるとチームメイトから言われていたので、タイミングを合わせてコンパクトに振りました。一振りで試合の流れを変えることができてよかったです」
主将:幸喜健太朗(中央大4年・長崎日大)
キャプテンとして、そして1番打者として大役を果たした幸喜。初回、全東海に先制を許したが、自ら右前打で出塁し逆転につながる突破口を開いた。4回には右前に三塁打も放ち2安打1打点の活躍。バットでも3連覇につながる活躍を見せた。
「今年は4年生主体のチームであり、その4年生にとっては最後の試合だったので、悔いだけは残さないようにプレーすることを全員で心がけました。その結果、最高の結果で終えることができて本当に嬉しいです」
【総括】
9ブロック大会の関東選抜チームに主務兼マネージャーとして参加し、マネジメントをすることの重要さを実感した。マネージャーというのは「支える」ことが仕事と思いがちだが、私は「牽引する」ことが本来のマネージャー像だと思っている。今大会は「チームを牽引するマネージャー」を意識して、大会前の準備や大会当日を行ってきた。選手ひとりひとりの力はもちろんのこと、本当に強いチームはマネージャーの力もあると思っている。
大会三連覇、そして、裏方としての三冠(全日本・清瀬杯・9ブロック)を掴み取るために、準備から全てのことに全力で取り組んできた結果、優勝し、最高の仲間と最高の景色を見ることができ、とても嬉しく思う。
準硬式野球は未知数だ。たくさんの可能性を秘めている。選手やマネージャーなど様々な関わり方から「未知数」な準硬式野球を開拓していくことで、自分自身の成長に繋がっていると身をもって感じている。その中でも、関東地区の学生委員会に所属し、より厳しい環境で物事に打ち込んだことは大学4年間の財産であり、1番チャレンジして良かったと思う出来事だ。
コロナが落ち着きつつあるが、高校野球で思うような活動ができなかった高校生、怪我など挫折をして野球を辞めようか迷っている高校生におすすめしたい野球だと思っている。大学生になって新しいことにチャレンジしたい、自分の思いを形にしたい、と思う高校生にはおすすめの環境である。
今回の遠征の最後に、空港でのミーティングにて、スタッフと選手から「マネージャーをやってくれてありがとう」と言われた時は、どんなに辛く、大変でも全力で頑張ってよかったと思った。多くの準硬式野球部はマネージャーの人数が少なく仕事も多いが、そのぶん、仲間と言うより、家族みたいな感じになれる。そこも大きなやりがいである。最後に、今大会にご尽力くださった理事の皆様、学生委員の皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
(文/国士舘大世田谷4年・長田藍子=白河旭)
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11月は「準硬式PR月間」として、甲子園大会、9ブロック大会(福岡)、豪州遠征の3つの遠征を通じ、学生たちが準硬式野球の活動、魅力を発信している。11月30日までクラウドファンディングを行い、準硬式ファン拡大に努めている。ご協力お願いいたします。