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初の福島開催は東京六大学選抜が連覇╱関東JUNKOオールスター大会2023

 体育会ナビカップ「関東JUNKOオールスター大会2023」の決勝戦が7月2日、福島・さつき公園第一球場(泉崎村)で行われ、東京六大学選抜が東都選抜Bに8-0で勝利し、2年連続の優勝を果たした。閉会式では優勝メダル授与のほか、表彰選手の発表があり、最優秀選手賞に慶應義塾大・日比谷元樹(4年=慶應義塾)、優秀投手賞に中央大・大山北斗(2年=興南)、優秀打者賞に法政大・鈴木歩夢(4年=明星)が選ばれた。

■149キロ右腕・日比谷が5回無安打無失点
 東京六大学選抜が4投手による無失点リレーで快勝した。先発した日比谷は最速149キロの直球を投げる本格派右腕で、序盤は制球に苦しむも5回84球を投げ、無安打5奪三振の内容(6四死球)。2年連続の決勝戦登板で、力のある直球を投げ込んだ。日比谷は「今日は2、3イニングの予定でしたが、途中から変化球を混ぜて打たせて取る投球に変え、5イニング投げることができました」とまずまずの表情。捕手の法政大・澤野智哉(4年=国士館)は「ゼロで抑えられたことがよかった。僕自身は入学して初めて全日本(選手権)に出られない初めての夏になりますが、この大会の経験をチームに持ち帰って秋のリーグ戦で優勝したい」と次への目標を口にした。

リーグ戦でも活躍した慶応義塾大の日比谷元樹が先発し、5回を無失点に抑える

 東京六大学リーグで14年ぶりに優勝した慶應義塾大から選ばれた山賀雅史(3年=都昭和)は1安打、佐藤遼平(3年=桐朋)が2安打2打点と活躍。高校軟式野球部から入部した長谷川優太(3年=慶應義塾)もリーグ戦同様、クローザーとして最後を締めくくり胴上げ投手に輝いた。

軟式出身の慶応義塾大・長谷川健太が走者を出すも無失点に抑えてV投手に輝いた

 入れ替え戦のない六大学リーグで、選手同士お互いの長所を知り合っている六大学選抜選手たち。17安打8得点の快勝に、主将の法政大・塩唐松宏将(4年=鳴門)は「今日は慶應の選手たちが改めて『味方でよかったな』と思える試合でした。普段から仲がよいのでコミュニケーションも問題なかった。相手の東都Bも最後まで元気出していて同じ野球愛を感じました。(今日はYouTube配信もやっているので)チームを超えて楽しく準硬式野球をやっている姿を、高校生たちに見て知ってもらえたらうれしいですね」と話した。

■東都リーグ3・4部の選手から成る東都選抜Bも健闘
 敗れはしたが、東都リーグ3、4部の選手で構成された東都選抜Bの健闘も見事だった。予選では1、2部の選手から成る東都選抜Aに逆転勝ちし、決勝では2安打無得点に抑えられたが、個性豊かな選手が全力を出し尽くした。習志野や、二松学舎大付、聖隷クリストファー、国学院栃木など、強豪校でレギュラーだった選手もおり、地力の高さを感じさせた。主将の亜細亜大・小川陸(3年=本庄一)は「点差がついても最後まで諦めず、盛り上がって野球ができました。普段は観客のいない中で試合をしているので、久しぶりに見られる野球を味わえた。高校野球を思い出しました」と充実感を込めて話した。

予選で2勝を挙げ、決勝戦に進出した東都選抜B。今大会で健闘が光った

 当初は雨予報だった2泊3日の大会だが、結果的に晴天にめぐまれ全日程を消化した。コロナ禍で高校野球を不完全燃焼で終わった選手も多く参加し「野球を続けていてよかった」という声が選手の多くから聞かれ「試合」という思い出作りの大切さを再確認できた大会となった。

(編集部)

日曜日の開催ということで、選手の保護者や関係者、中学野球部の選手が観戦した

初対面の選手もいる東都選抜B(3・4部)をまとめた亜細亜大・小川陸主将

優秀選手に選ばれた(左から)法政大・鈴木歩夢、中央大・大山北斗、慶応義塾大・日比谷元樹

常時140キロ台を計測する中央大・大山北斗は北関東戦で6回無安打無失点に抑えた