
2025年11月21日、阪神甲子園球場で行われた、第4回全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦に北信越地区からは5名が参加した。
西日本選抜のスタメンには、金沢医科大学・長森大将(5年=福岡大大濠)が5番レフトで名を連ねた。2年ぶり2度目の参加となる長森は、北信越勢で初となるフル出場を果たした。一点を追いかける3回の2打席目には左前安打を放ち出塁すると、三盗、そして二死2ストライクと追い込まれたところから、ホームスチールまで決めてみせた。北信越では何度も魅せてきた好走塁、そしてホームスチールは甲子園のベンチ、観客を圧倒した。逆転された後、チームの悪い流れを変える大きなプレーになった。

2回には北陸大学・澤田京吾(3年=金沢)が登板。先頭バッターに右前安打を打たれるも、次のバッターは低めに制球されたボールで見逃し三振。その後得点圏に走者を進められるも、続く打者を遊直の併殺に打ち取り、1回を無失点の素晴らしい投球であった。

福井大学医学部・谷本遼介(6年=洛星)は4回のマウンドに立った。先頭をニゴロに打ち取るも、その後は満塁のピンチを抱える。後を受けた投手が抑え、1/3回を無失点。球速は自己最速を3キロ更新する138キロを記録し、悔いなくJUNKOプレイヤーのピリオドを打った。甲子園のマウンドをピンチでも楽しめた、この経験がより一層彼を強くし、未来のJUNKOを支える整形外科医となるに違いない。

ボールパーソンを務めた金沢星稜大学・加藤雄大(3年=佐世保北)は甲子園のグラウンドを駆け回った。昨年も応募したが、選出外。今年こそは聖地に立ちたいという強い思いで、選手に負けないプライドを持って臨んだ。全日本大学準硬式野球連盟の委員も務め、スタッフの苦労も間近で見てきた彼には、あの景色がまた違った色に見えただろう。

人生初の経験、解説者を務めた金沢大学・佐々木由翔(4年=一関第一)は、2度目となるこの大会にかける思いは昨年と大きく違っていた。昨年度はボールパーソンとして参加し、甲子園のグラウンドレベルに立てることに感動した。しかし、今年度、北信越地区の広報として活動する中で、JUNKOの認知度の低さを感じ、それぞれが思うJUNKOの良さがまだまだ伝わっていないと感じた。この大会を通して、全国レベルの技術と共にそういった思いを伝える使命を果たすため参加した。

今大会では、選手を中心に北信越勢の西日本選抜初勝利への貢献、グラウンド外での他地区の選手との交流が見られたこともあり、「日本一」を達成することができた。そして、来年度の全日本大会の舞台は北信越、石川となっており「日本一」を開催地区として掴み取って欲しい。来年度の甲子園大会に向けた参加希望者も既に数名いると、関係者から聞いている。北信越から全国へ、今年を越えるドラマがもうそこにある。
(文=西日本選抜チーム解説者兼北信越地区学生理事、金沢大学4年・佐々木由翔=一関第一)