令和7年度春季北信越地区大学準硬式野球大会(6月7日〜9日/予備日10日)が、長野県内で開催される。4・5月に行われた予選リーグを勝ち抜いた12校が、本戦トーナメントに挑む。優勝チームは8月に北海道で行われる全日本選手権の出場権を得られる。
今回は北信越地区大学準硬式野球連盟の学生広報が、各チームの戦力と予選リーグの結果をもとにブロックごとの展開を予想する。
Aブロックは、投打の駆け引きに注目
シード校・金沢大学薬理学部は、エースの伊藤敏生(4年=青森)と田中光希(3年=前橋)の二枚看板を軸に、部員13人の少数精鋭で予選リーグを突破。守備率は.873と課題も見えるが、チーム全体としての伸びしろは十分。投手陣の安定感をさらに生かすためにも、守備の安定が勝利への鍵を握りそうだ。
金沢医科大学は、主将の新井和郎(2年=日大三)が高い出塁率で打線を牽引。長森大将(5年=福岡大大濠)らの継投策を中心とした投手陣は、予選リーグで失点を重ねる展開もあったが、継投策を武器に巻き返しを狙う。大量失点を防ぎながら、粘り強い試合運びを見せられるか。
金沢大学法文経国際学部は、ベスト4常連の実力校。予選リーグも充実の戦力で臨んだが、惜しくも負け越しとなった。チーム防御率は7.83と課題を残すものの、打線には迫力がある。経験豊富な3・4年生を軸に、どこからでも得点を狙えるつながりのある打線が光る。
Bブロックは、打ち合い必至の熱戦に注目
金沢星稜大学は、昨季に実戦経験を積んだ石田駿(3年=高岡商)と卯野雄作(2年=野々市明倫)の両投手が、ゲームメイク力に優れ、安定感ある投球で試合の主導権を握る。予選リーグでは試合序盤の得点力に課題を抱えていたが、本戦では主導権を握る攻撃展開を目指す。
富山大学は、予選リーグで打率.727を記録した鈴木大智(3年=豊岡)を中心に、リーグ最高打率をマークした強力打線を誇る。3年ぶりの本戦出場となる今大会、攻撃力とチームの団結力で頂点を目指す。
秋の北信越王者・福井大学医学部は、エースの谷本遼介(6年=洛星)の安定感が光る。持ち味のスタミナを武器に、今大会でも粘り強い投球が期待される。打線は出塁率が高く、1試合平均6.7得点と高い得点力を誇る。初戦の相手・富山大は、3年前に初戦で対戦し惜敗している。その時の敗戦投手は谷本であり、自身が投げ切り雪辱を果たせるか。
Cブロックは、継投と守備で掴む接戦に注目
新潟大学医学部は、全国大会出場経験を持つ選手が多く在籍する実力校。渡邉啓太(6年=新潟),高橋佳樹(4年=岐阜北)は予選リーグの打率10傑に入るほどの打力を持ち,チームを牽引する。小松健太郎(5年=旭丘)、間中直有(5年=市立南)の投手陣も経験豊富。昨年秋はまさかの初戦敗退を喫したが、今年こそは全日本の舞台へ。
上越教育大学は、終盤に強さを見せる粘りのチーム。新潟大医学部との接戦を制した勝負強さが光る。横島陽平(2年=真岡)と坂木陽(2年=高田北城)の継投リレーも安定しており、特に坂木は12回2/3を投げ防御率0.00と安定感抜群だ。
信州大学は、城守颯太(2年=黒沢尻北)、岡田隼太郎(2年=金沢泉丘)らによる継投策で試合を組み立てる。4番・和田直樹(3年=攻玉社)を軸に、限られた好機を確実に得点へつなげる粘り強さが光る。
Dブロックは、絶対的エース・寺下の存在感に注目
金沢大学医学部は、エースの寺下佳孝(5年=金沢泉丘)が防御率2.00でチームの全投球回・18回を一人で担った。奪三振数、WHIP、与四球など多くの投手指標でリーグトップを記録。打線も楠原嵩大(4年=高松第一)を中心に高打率を誇り、破壊力十分。しかし、予選リーグ初戦では相手エースに封じられ逆転負けを喫した。本戦での巻き返しに注目だ。
金沢大学教育学部は、若い力が着実に成長を遂げている。奥村奏太(2年=小松)がエースとして登板を重ねる一方で、伊藤康大(2年=小松)の存在もトーナメントを勝ち抜く鍵となりそうだ。チーム防御率は安定しており、リーグ戦では新戦力の台頭も目立った。攻守にバランスがあり、上位進出を狙える力を備えている。
北陸大学は、予選リーグ4試合を接戦で制した粘りのチーム。澤田京吾(3年=金沢・)、岡本拓真(2年=敦賀)の投手リレーで3試合を1点差勝利、うち2試合は最終回の逆転劇と土壇場に強い。勝負強さで2年ぶりの栄冠を目指す。
編集後記
各校が誇るエースや打線が交錯し、長野の地で白熱の戦いが繰り広げられる。この記事で描いた展望を超える、予想を上回る熱戦が生まれることを期待したい。そして、ぜひ現地で、一球一打に懸ける選手たちの想いと熱気を感じてほしい。
本記事は、学生広報が選手たちの想いと試合の見どころをお伝えすべく執筆しました。球場で皆さんと感動を分かち合えることを楽しみにしています。
文/金沢大学 佐々木由翔(4年=一関第一)