大学準硬式野球の全日本選手権に12年ぶりに出場している「KEIO」が旋風を起こしている。22日に大阪で開幕した「文部科学大臣杯第75回全日本大学準硬式野球選手権記念大会」。春季リーグ戦で14年ぶりに優勝し、出場を決めた慶應義塾大は、初戦で初出場の北陸大に12-5で勝利。16安打12得点の猛攻を見せた。
2回戦の九州産業大戦では、先発の日比谷元樹(4年=慶應義塾)が6回まで1安打無失点の好投。白熱の投手戦となり、9回までゼロ行進が続き試合は延長へともつれ込んだ。10回表、1死二、三塁で佐藤遼平(3年=桐朋)が値千金の中前タイムリーを打ち、先制。その裏、リーグ戦でもクローザーとして大活躍してきた長谷川優太(3年=慶應義塾)が無失点で抑え、1ー0で勝利した。勝負を決めるヒットを放った佐藤は「本当に厳しい展開でしたが、勝てて良かったです。部員86人全員で掴み取った勝利です!」と勝利を振り返った。
対戦相手を待つ形となった25日、2回戦から登場の早稲田大が近畿大に9回土壇場で追いつき、延長10回、死球と内野安打で2死一、三塁とし、4番松永賢三(3年=早稲田実)の右前タイムリーでサヨナラ勝利。対戦相手が決まった。ともに延長戦を制し、ベスト8まで駒を進めた両校。全日本選手権大会の歴史で初めて「早慶戦」が実現する。
■同じグラウンドで練習する塾高の優勝を追い風に
甲子園では107年ぶりに慶應義塾高校が全国制覇を成し遂げた。日比谷、長谷川以外にも、塾高の卒業生が多く在籍する慶應義塾大にとっては、まさに追い風。日々の練習は塾高のグラウンドを使って行っており、交流も深い。主将の中野孝亮(4年=慶應義塾)は、「母校の甲子園優勝はとても誇らしく、刺激になりました。高校の頃から日本一を掲げて取り組んできた集大成として、準硬式野球部で日本一を達成したいと思います」と、全国制覇への気持ちを強くした。
準硬式の早慶戦」は明日26日、大阪・住之江公園野球場で13時から行われる。早慶のユニホームに憧れる選手たちはもちろん、多くの野球ファンに観戦してもらいたい一戦だ。(入場無料、一球速報あり)
文/井上瑠夏(慶應義塾大3年=横浜雙葉)