“JUNKOWEB”

高校生に準硬式野球をPR。「軟式野球部にも普及活動をしたい」

「準硬式を高校生に知ってもらおう!」。関東地区大学準硬式野球連盟の3名の学生委員が準硬式野球の普及活動の一環で、神奈川県立市ケ尾高校野球部を訪問。高校生に準硬式野球の魅力をPRした。同連盟としては初の試みで、今後も話を聞いてくれる高校があれば足を運んでPR活動をする予定だ。

■「甲子園でプレーしたい選手にもおススメです!」とPR
 2月19日(日)、関東地区学生委員の山根祥太副委員長(横浜国大3年=高崎)、井上佳乃(青山学院大1年=真和)、亀谷七海(専修大1年=専大付)が市ケ尾を訪問し、練習を見学。実際に準硬式のボールを選手たちに体験してもらいながら、準硬式野球について説明した。
「準硬式は準硬式のボールと、金属バットを使用する野球です」
「授業と野球を両立できるほか、アルバイトや資格取得のための勉強もできます。関東地区の選手の95%がアルバイトをしています」
「レベルが低いと思っている人もいるかと思いますが、社会人野球やプロ野球に進んだ選手もいます」
「昨年は甲子園大会も開催されたので、甲子園でプレーしたい選手にはおススメです!」

 2年生13人、1年生17人、計30人の部員の前で、井上、亀谷の二人が準硬式の魅力を熱弁。2017年から指揮を執る菅澤悠監督が「選手たちの進路選択の参考になれば」と連盟からの依頼を受け、大学生の熱意に応える形となった。菅澤監督は5年前から自チームの練習に低反発バットや球数制限を導入するほか、小学生にBaseball5を使っての野球普及を行うなど革新的な野球部運営を行っている。その成果が出て、昨年の春季神奈川大会では16強入り。夏の第3シード権を獲得た。選手の多くは“GMARCH”レベルの大学へ進学するが、硬式野球をやる自信がなく、野球を辞めてしまう選手もいると言う。横浜国立大準硬式野球部出身の本屋敷隆裕部長は「準硬式野球を知らない人も、これを機に知ってもらいたい。ぜひ選択肢に入れてもらって、できれば横浜国大で準硬式野球をやって欲しい」と選手たちに呼びかけた。 

学生委員の二人は「準硬式は“硬式の次”というイメージがある」など高校生の率直な意見を聞く機会となった

■帝京大・山崎は競技のやりがいを説明
 この日は帝京大の選手もグラウンドに訪れ、競技の面白さを説明。神奈川出身のエースで、準硬式全日本選抜にも選ばれた山崎陽平(帝京大3年=横浜隼人)は「高校生と触れ合って、自分自身ももっと頑張らなくてはいけないと思いました」と交流を振り返り「自分が高校生のときは準硬式を知らなかった。だから、行きたいと言う人も少なかった。この機会にぜひ知って欲しいですね。高校時代、自分は130キロしか出なかったけど、準硬式に本気で打ち込んだ結果、144キロまで球速が伸びました。最終年となる今年の目標は、高校の先輩、青山美夏人さん(亜細亜大硬式野球部から西武に入団)のようにプロ野球の世界に挑戦してみたいと思っています。そういう目標ができたのも、準硬式のお陰です」と今季への意気込みを語った。

帝京大の山崎陽平(3年=横浜隼人)は準硬式で球速が15キロ近くアップ。競技としての可能性を話した

高校生から受けた刺激を力に代えて、3月の関東選手権で優勝を誓う帝京大の山崎


 山根副委員長は「高校生と準硬式について話しをさせていただける機会をいただき、市ケ尾高校野球の皆さんにとても感謝しています。高校生からの声は連盟に報告してこれからも普及に努めていきたいです。硬式野球部の高校生だけでなく、軟式野球部の選手にも準硬式を知ってもらえる機会を作りたいですね」と今後の抱負を話した。

神奈川の大学に通う山根祥太副委員長(横浜国大3年=高崎)の話は、市ケ尾の選手にとっても身近に感じた様子だった

今回の訪問の反省や課題を改善し、今後も高校生への普及活動を行っていく予定だ

*連盟では「準硬式に触れてみたい」と希望する野球部へ、男子部員、女子部員問わず、積極的にPRしていきたいと考えています。問い合わせは関東地区連盟(ツイッター、インスタグラムアカウント=@kantojunko 、または当サイト「お問い合わせ」までご連絡ください。

(文・編集部)