“JUNKOWEB”

東軍対西軍の練習試合は2-2。甲子園ではどんな選手が出るのか? 全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦甲子園大会レポート②

 11月13日に甲子園で行われる「全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦」に向けた東日本選抜対西日本選抜の練習試合が12日、県立淡路佐野運動公園第2球場で行われた。時間制限付きの7回イニング制の練習試合で、西軍が7回裏に追いつき2-2で引き分けた。13日は阪神甲子園球場で12時から試合が行われる。

試合前の両軍あいさつ。この日が初めての合同練習日となったが白熱の好試合となった

 東軍は3回表、9番中村哉太(専修大2年=専大松戸)が左前打で出塁すると、2番新井健太(早稲田大4年=早大学院)も右前打を打ち1死一、三塁。3番山形祐介(名城大4年=栄徳)がレフトへ犠牲フライを打って1点を先制した。さらに6回にも無死三塁から途中出場の梶田健斗(愛知大4年=東邦)がセンターへ犠飛を打って追加点を挙げる。8人の投手が継投し、攻守にそつのない戦いを見せた。先制の犠飛を打った山形は「今日は東日本選抜で初めての試合だったので、チームとしての1点がまず欲しかった。最低でも犠飛と思って外野まで打球を飛ばそうと思って思い切り振りました」と話した。

1死一、三塁で左越え犠飛を放った名城大・山形は「最低限の仕事ができた」と話した

3回、左前打で出塁した専修大・中村が犠飛で生還。先制のホームを踏んだ

3番手で登板の筑波大・橋本は打者5人に2安打1四球1奪三振で無失点に抑えた

5番手で登板の中京大・道﨑は打者4人に1死球1奪三振無失点で貫録の投球を披露

 西軍は6回、無死二、三塁から津島良丞(大阪経済大4年=大塚)の右前打で1点を返すが一歩及ばず。7回裏にミスに乗じて1点をもぎ取るのがやっとだった。
 西軍の中野弘之監督(大阪経済大)は「同じ引き分けでも相手は2つの犠飛、ウチはミスをもらっての得点で、若干の不満はありますが、明日の甲子園でも僅差の試合になると思う。もう少し元気を出して明日は戦ってほしい」と奮起を促した。

9番レフトでスタメン出場した同志社大・向久保は左前打と好守でチームに勢いをつけた

レフトでファインプレーを見せ、ハイタッチでベンチに迎えられる同志社大・向久保

■149キロ右腕から、国立大、医学部の選手など多士済々
 甲子園で戦う東西のメンバーは、準硬式らしい多士済々な顔ぶれとなっている。
 実力派では、準硬式界で現在最速となる149キロ右腕・日比谷元樹(慶應義塾大3年=慶応義塾)や、動作解析や投球メカニズムを研究して150キロ越えに挑戦する148キロ右腕・橋本剛石(筑波大2年=市立浦和)、2019年センバツ優勝した東邦では控え投手だったが準硬式で最速147キロを計測し、クローザーとして活躍する道﨑亮太(中京大3年=東邦)などがいる。
 打者では、かつて甲子園をにぎわせた逸材も多くいる。花巻東では1番センターで活躍し50m5秒9の俊足でリーグのベストナインに輝いた向久保怜央(同志社大3年)や、2017年夏の甲子園準優勝メンバーで東軍の4番候補・永井克樹(明治大4=広陵)、国士舘の正捕手を務めた澤野智哉(法政大3年)、らがいる。
 また、公立校で高校野球に打ち込み、受験を突破して国公立大に入学し、準硬式と出会った選手もいる。北海道大の平野駿(投手、3年=浜松西)、東北大の神部虎太郎(内野手、3年=仙台三)、横浜国立大の石田周作(内野手、4年=濟々黌)鳥取大の清水将太郎(捕手、4年=姫路南)、金沢大の梶康太(捕手、2年=富山東)、岡山大の西椋生(内野手、3年=向陽)、信州大の阿部洸(内野手、3年=都市大塩尻)、香川大医学部の富永直樹(内野手、3年=高松)。進学校の高校球児には特に注目して欲しい選手たちだ。

東日本選抜の東都チームで集合写真を撮る選手、運営スタッフの学生たち

浦和学院同級生コンビの(左から)東北学院大・嶋田友と、中央大・石井竜弥(ともに3年)

「準硬好きだ! 拡がれ準硬式野球!」。あすの甲子園に向けて決起する選抜メンバー

 13日の甲子園大会では、それぞれの思いを持った選手たちが勝利を目指しながら、自分らしいプレーを発揮する。高校野球で野球を辞めようと思っている高校生にはぜひ「準硬式」という野球に興味を持って、選択肢の一つに入れて頂きたい。
自分が求める「やりがい」が、準硬式にはきっとあるはずだ。

(文・取材/樫本ゆき)
↓全日本大学準硬式野球連盟への支援はこちらから↓

readyfor.jp