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日本一チーム数が多いリーグが行う新人戦

6月7日から始まっている第5回アルシスコーポレーションカレッジベースボールカップ 東都大学準硬式野球 THE ROOKIE TOURNAMENT(新人戦)。日本一所属大学が多い東都リーグで1・2年生だけで行う最初の公式戦であり、新人戦ならではの魅力が多く詰まっている。

そこで今回は東都リーグ学生委員長でプレーヤーとしても準硬式野球を続けている帝京大学・髙﨑健伸(4年・帝京八王子)に、新人戦の意義と東都リーグの展望や課題について話を伺ってきた。

東都リーグ学生委員長が語る新人戦の魅力
第5回アルシスコーポレーションカレッジベースボールカップ 東都大学準硬式野球 THE ROOKIE TOURNAMENT(新人戦)は東都リーグ1部リーグから3部リーグの上位チームが出場できる大会となっておりその魅力はリーグ戦にも劣らない。ただこと運営に目を当てると1日4試合もある運営をこなすのは中々に大変である。
帝京大学・髙﨑健伸(4年・帝京八王子)は「実はリーグ戦よりは運営は大変ではないんです」と髙崎は笑ってみせた。「リーグ戦だと一球速報を学生でやらないと行けないので、その仕事がない分リーグ戦よりは楽になります。ただ勿論、リーグ戦は1日2試合が通常ですし、4試合の運営はやはり疲れます」ただそんな大変な運営でも単純に野球を見ることが好きなため、苦痛には感じないという。

学生委員長を務める帝京大・髙﨑健伸(4年・帝京八王子高)

「選手がハツラツとプレーしているところを見ることができて非常に楽しんでいます。また3部リーグのピッチャーが140km/h出すこともありますし、非常に見所の多い野球が行われていると感じています」(髙﨑)。
実際私が観戦した試合も東洋大学のピッチャーが140km/hを連発しており、東都リーグの力を見せつけられた気がした。下級生が活躍できる場としてある、新人戦の意義は我々が想像するより深いところにある。

140km/hを超える速球を投げる東洋大・丸嶌遼(2年・海星高)

私の所属する青山学院大学でも1年生が全体練習が終わったあとでも精力的に自主練習をしていた。やはり"インセンティブとしての新人戦"の効果は絶大だ。第5回アルシスコーポレーションカレッジベースボールカップ 東都大学準硬式野球 THE ROOKIE TOURNAMENT(新人戦)の魅力はレベルの高さだけにあるのではない。"未完成だからこその魅力"もあるのだという。
「先程も申した通り、3部リーグの選手の台頭は素晴らしいです。ただ新人戦は4年生や3年生がいない分チーム間での差が読めない点にも大きな魅力があります。下部リーグではリーグ戦でプレーしている1・2年生もおりますので、上部リーグの1・2年生と比べたときにどちらが強いかは"やってみないと分からない"のです」

MAX148km/hの筑波大・橋本剛石(2年・市立浦和高)

「同じ文脈で新人戦ならではの野球も見ることができます。完成されたプレーは中々ありません。当然ミスも出ます。ただそれをどのようにカバーしあっていくか。そんな力も勝敗に大きく関わり大変興味深いです」(高﨑)学生委員長はグラウンドでミスもありながらも一生懸命プレーする選手を孫を見るような目で見つめていた。

東都リーグ学生委員長が語る東都リーグの展望と課題
お話を伺う中で東都リーグはやはり関東を引っ張っていくリーグでありたい。その思いを人一倍持っていることがよく分かった。「東都は入れ替え戦があり、シビアな競争の中でプレーしています。だからこそ関東選手権や全日本で東都リーグのチームが優勝することはある種宿命とも言えると考えています。」当然関東選手権には東都リーグからどのチームでも参加できる訳でどのチームにも優勝の可能性はある。だからこそ東都リーグの全体としてのレベルを上げていけるように頑張りたいと話す。
「非常に多くの大学が所属しているリーグですので、縦の繋がりを持ち、統率をとるのは非常に難しいです。コロナが無ければぜひ会って話したいところなのですが、LINEでしか話したことないですし寂しい気持ちがあります」(髙﨑)その点においては下部の主務と繋がれる新人戦は非常に大きな意味を持つ。

今回取材をした髙﨑健伸は主務という仕事を通じて大きな人生経験をしたそうだ。髙﨑はプレーヤーとしても準硬式野球をしていた。練習するときはする。主務の仕事は仕事と切り替えを大切にすることで両立を可能にしていたのだという。

これからの東都リーグの活躍から目が離せない。今後の東都リーグの飛躍を私は今回の新人戦を見て確信した。東都リーグは名実共に名を馳せているが、現状に満足することなく進み続けているようだ。

(文・山田力也)