学生による学生のための大会「体育会ナビ 関東JUNKOオールスターIN伊豆」(24~26日・関東地区大学準硬式野球連盟主催、静岡県伊豆市後援)は決勝戦、交流試合2試合が行われ、東京六大学選抜が10-9で東都選抜Aに勝ち初代王者に輝いた。試合は延長11回、白熱のタイブレークとなった。
5点差を追いついた東都の意地。死闘のタイブレークは六大学が制する
大会最終日。東京六大学選抜が東都選抜Aに10-9、延長11回タイブレークで勝利し優勝した。六大学は5回、1死二、三塁から相手の失策により2点を挙げて逆転。6回に1番吉野剛史(立教大・3年=蕨)が2点タイムリーとなる中越え三塁打を打ち、この回4点を追加した。9回表に同点とされ、延長11回から無死一、二塁のタイブレークに突入。6回から登板する日比谷元樹(慶應義塾大・3年=慶応義塾)の好投と、三塁・久保嶋真也(早稲田大・2年=桐蔭学園)の併殺などで無失点に抑え、その裏に久保嶋の左前打でサヨナラ勝ちとなった。
東都選抜Aは5点ビハインドから、9回表に石谷颯生(国士館大・3年=浦和学院)の二ゴロ、松本夕輝(専修大・4年=多摩大目黒)の左前打で得点すると、8番竹島亜都(東海大・2年=東海大相模)の左越え三塁打で同点に。前日の神奈川選抜戦と同じように9回から粘りを見せた。
東京六大学が準硬式をひっぱっていく存在に/東京六大学選抜・古屋主将
今年初めて開催された関東オールスター戦。“初代王者”に輝いた古屋一輝主将(法政大・4年=健大高崎)は「東京六大学リーグは準硬式をひっぱっていく存在だと思うので、今大会は優勝にこだわって戦いました。リーグで1番力のある選手が集まり、ベストメンバーで戦った。優勝できてホッとしています。仲の良さがそのままチームワークにつながり、一人一人が自分の仕事に徹した、急造チームとは思えないチームでした。この経験を自チームでも生かし、日本一をつかみたい」と話した。
■タイブレークで決勝打を放った久保嶋真也(早稲田大・2年=桐蔭学園)
無死満塁。三走が俊足の永井さんだったので、内野の間に転がすか、外野に飛ばせば点が入ると思ったので、強く打球を打ちました。(11回表の三塁ゴロホーム併殺の好守は)サードで向かう気持ちで守っていた。試合の勝ち方、ベンチの声かけなど、野球をよく知っている選手が集まり、非常に雰囲気が良いチームでした。
■6回勝ち越し打を打った永井克樹(明治大・4年=広陵)
(2試合で8打数4安打3打点)この大会は良く打てました。春の関東選手権が好調で、リーグ戦で不振になり、今回また打てたので六大選抜の4番らしい活躍ができたかなと思います。個人的には初日(24日)に就職活動の最終面接と重なり忙しい大会でしたが、2日間とても、楽しかったです。
勝ちに対する温度差を埋めるのが大変だった/東都選抜A・山崎主将
■準優勝した東都選抜Aの山崎大翔主将(中央大・3年=花巻東)
夏の中大の全日本大会準々決勝敗退も悔しかったが、今回も悔しい。他大学の選手とコミュニケーション取れたのはよかったけど、勝利に対する温度差を埋めるのが大変だった。法政大の澤野からは同じ捕手として学ぶものが多かった。負けは悔しいので、もうこんな思いはしたくない。
■個人賞
最優秀選手賞 吉野剛史(立教大・3年=蕨)
優秀選手賞 近野歩飛(神奈川大・2年=市立橘)
優秀打者賞 新井健太(早稲田大・4年=早大高等学院)
■関東地区大学準硬式野球連盟・宮内孝知会長
梅雨の中での開催となった今大会。素晴らしい天候に恵まれて無事に開催できたことを喜ばしく思います。決勝戦は両チームが死力を尽くした戦いとなりました。準硬式のモットーは文武両道。学生野球を通じて、プレイヤーであり、ジェントルマンである人間を目指してください。今大会の開催に際しまして、学生たちの運営にご協力、ご支援くださった静岡県伊豆市、シダックス様、ホテルワイナリーヒル様、審判の皆さまに連盟より心より感謝申し上げます。
■交流試合の結果
神奈川選抜7-0新関東選抜
神奈川選抜が8安打7得点と効率よく攻めた。7番印部颯汰(関東学院大・2年=学法福島)が2安打1打点の活躍。麻布大から唯一選出された藤大達也が(2年=洛南)が2番手で登板しサイドスローで2回を無安打無失点に抑えた。新関東選抜は、近江で夏の滋賀大会3連覇世代の山口真之介(国士館大世田谷2年・近江)が2番手で登板した。
②(5・6位決定戦)
東都選抜B6-0北関東選抜
東都選抜Bが安居院勇源(東京農工大・3年=小山台)―佐伯遼馬(亜細亜大・3年=修徳)―根上真(成蹊大・3年=都留)―二井谷賢人(亜細亜大・3年=市立川越)の4人で完封リレー。4番深澤駿太(法政大学Ⅱ部・3年=札幌第一)が2安打1打点と活躍した。
(写真・文/樫本ゆき)