学生による学生のための大会「体育会ナビ 関東JUNKOオールスターIN伊豆」(24~26日・関東地区大学準硬式野球連盟主催、静岡県伊豆市後援)は予選リーグ6試合が行われ、東都選抜Aと東京六大学選抜が決勝に進出した。学生が企画運営のすべてを行う連盟初の交流大会を3日間にわたってレポートする。
大会2日目は2会場で予選リーグ6試合が行われ、東都選抜Aと東京六大学選抜が決勝進出を果たした。東都リーグ1・2部の選手で構成された東都選抜Aは、同3部以下の選手中心の東都選抜Bに5-0の快勝。続く2戦目では、神奈川選抜に延長10回、2時間制による1-1の引き分けとなり、1勝1分で決勝リーグ進出を果たした。
■東海大・門脇はSNSを駆使して「縦振り」を習得
東都選抜Aは0-1で迎えた9回表。先頭の5番門脇郁弥(東海大・3年=東海大望洋)が中前二塁打で出塁。同じ東海大の東海新(3年=平塚学園)の右前二塁打で生還し、執念の1点をもぎ取った。
「自分の中で試合に(気持ちが)入る日と、入れない日があるのですが、9回の打席は打てる気しかなかった。これまでの横振りを、昨冬から縦振りに代えたらインコースに詰まらされなくなった。今大会はホテルに自前のメディシンボールを持ち込んでコンディショニングをしているのですが、こだわった結果が出てうれしいです」と笑顔を見せた。
門脇は縦振りを取得する際、様々なSNSを調べて自分にしっくりくる方法を探ったと言う。「ツイッターのスペース(音声配信)で縦振りの効果について話している方がいて、聞きながらメモを取り練習で試してきました」。研究と実践を重ねるたびに技術が伸びる今の野球環境に、どっぷりとハマっているようだ。
「練習は週3回、3,4時間程度ですが、大人の監督がいないから自分でどんどんストイックに打ち込める東海大の準硬式野球部が自分に合っていると思いました。いまが1番楽しいです」と続けた。
■自分の投球フォームを解析し最速148キロを計測した筑波大・橋本
自分の興味好奇心をそのまま練習に生かせるのも、準硬式の長所の一つだろう。高校時代に華やかな活躍が残せなかった選手でも、成長曲線を描くことができる。
東都選抜Aでリリーフ登板し、2回無安打無失点に抑えた筑波大・橋本剛石(2年=市立浦和)も、門脇と同じように準硬式で可能性を伸ばした選手の一人だ。大学で自分の投球フォームを動作解析し、客観的な修正点を見つけることで最速148キロ到達に成功した。「ただ腕を振るだけでは速い球は投げられない。メカニクスで出た客観的な数値と、プラス自分にしかわからない感覚の両方を大事にして、準硬式で150キロを目指したい」と意気込む。
メイン球場の志太スタジアムで行われた「開幕式」では、菊池豊伊豆市長が挨拶。自身も元野球少年だったことから始打式を行い、選手たちと交流した。「私は中学野球まででしたが、息子が大学まで野球を続けてくれたことは大きな喜びでした。皆さんの親もきっと、皆さんが野球を続けていることをよろこんでいると思います。頑張って下さい」とエールを送った。
大会最終日の26日は、志太スタジアムで決勝戦、交流戦(3位、5位決定戦)の計3試合行われる予定だ。
(文・写真/樫本ゆき)