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元レスリング選手が野球部を創っちゃった。平成国際大の主将が引き寄せた「選手宣誓」の奇跡

まさか自分が…。関東大会初出場で、大役が!

 野球部が減少している時代に、あえて「創る」を選択した大学生がいた。平成国際大の新留健太郎主将(新3年=宮崎第一)だ。

 東京・日本大学三軒茶屋キャンパスで行われた「第68回関東地区大学準硬式野球選手権大会の抽選会」。参加62チームの主将が集う会場で、選手宣誓のクジを引き当てたのが新留主将だった。

「まさか自分がと思いました。驚きました」。

 目を丸くし、少し戸惑いの表情を見せていた新留主将。それもそのはず。平成国際大は今回が初の関東大会参加だったのだ。まさか初挑戦のタイミングで自分が選手宣誓を引くなんて。言葉がすぐに出てこなかった。

 3年前、平成国際大には準硬式野球部がなかった。「ないのなら、新しく部を作ったらどうか?」と思い立ち、新留主将ら有志4人で愛好会からスタート。初期費用は、クラウドファンディングを立ち上げて自分たちで集めた。

医歯薬の大学が集まる、新関東大学リーグは3部まである


 加盟は新関東大学リーグの3部。創価大や国士館大世田谷の実力チームに加え、医歯薬系の大学が半数を占める18チームのリーグだ。3部の6番目からスタートした平成国際大は、2024年は部員4人の合同チームで参戦。2年間で初勝利は果たせなかったが、シーズン中に部員が3人増え7人になった。2026年は2人の新入部員が入る予定で、今シーズンは待望の単独チームで出場ができることになりそうだ。

 3月6日に選手宣誓を行う新留主将は「関東大会は単独チームで出場する予定です。千葉・袖ケ浦球場で10日10時から、学習院大戦が初戦です。ユニホームもできて単独チームで戦えるんですよ」と明るい声で話した。


【関東大会組み合わせ】

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野球初心者のキャプテンは、運動センスの塊だった

 新留主将は、大学に入るまで野球をしたことがなかった。高校時代はレスリング部に所属しており、90キロ級の選手として九州大会にも出場する程の実力者だった。それがなぜ野球を?「もともと運動が好きで、野球も一度やってみたかったんです」と穏やかに話す。野球初心者から練習を始め、最初はフライを取ることもできなかったが、外部コーチの指導でみるみる上達。チームメイトは「運動神経がいいから、呑み込みが早かった。初心者とは思えなかった。運動センスがいいんです」と感心の声が。新留主将はキャッチャーを務め、打撃の楽しさを感じ始めているという。

レスリング部で九州大会出場した新留主将は、いま野球に夢中だ

 平成国際大準硬式野球部。単独チームで初めて臨む関東大会は、不安より希望があふれている。ヒットを打つこと。塁に出ること。エラーをなるべくしないこと。9回戦うこと。初勝利をつかむこと。

いま、野球が楽しいから、失敗しても諦めない。

初めての挑戦は、ワクワクしかないのだから。

 

(取材・文/樫本ゆき)