
学生たちが自ら執筆する連載企画「学生が描く、第77回全日本大学選手権大会」。連載第7回目は、四国地区編。2年ぶり3回目の出場、徳島文理大学です。春季リーグ戦を制し、3度目の全国切符を手にしたチームは、初戦で福岡大学に挑むも惜敗。大野尚洋主将(4年=梼原)は、苦悩と覚悟を背負いながらも仲間を導き、野球人生の集大成を迎えようとしています。11月14日開幕の全国9ブロック大会で、自身2度目の甲子園を目指します。
徳島文理大学は、2025年の四国地区春季大会一部リーグにて、接戦の末1位で勝ち抜き、見事2年ぶり3度目の全日本選手権大会の出場権を手にした。北海道で行われた大会では、1回戦で九州地区代表・福岡大学と対戦した。
全国1勝を目標とする徳島文理大学は、初回、先発の大久保将(3年=池田高校辻校)が満塁のピンチを招くと、制球が定まらず押し出し四球を与え、先制点を許すことになる。その後は捕手・大野尚洋(4年=梼原)と遊撃手・川部大和(4年=海部)の好守も光り、ピンチをしのぐ場面もあったが、3回、5回、7回、8回と追加点を奪われ、流れをつかめない展開が続いた。
打線は、大野が2安打と気を吐くものも、チャンスを生かせず、福岡大学に完封リレーを許し、0-5での敗戦となった。
徳島文理大学は、2025年の四国地区春季大会一部リーグにて、接戦の末1位で勝ち抜き、見事2年ぶり3度目の全日本選手権大会の出場権を手にした。北海道で行われた大会では、1回戦で九州地区代表・福岡大学と対戦した。
全国1勝を目標とする徳島文理大学は、初回、先発の大久保将(3年=池田高校辻校)が満塁のピンチを招くと、制球が定まらず押し出し四球を与え、先制点を許すことになる。その後は捕手・大野尚洋(4年=梼原)と遊撃手・川部大和(4年=海部)の好守も光り、ピンチをしのぐ場面もあったが、3回、5回、7回、8回と追加点を奪われ、流れをつかめない展開が続いた。
打線は、大野が2安打と気を吐くものも、チャンスを生かせず、福岡大学に完封リレーを許し、0-5での敗戦となった。
チームの柱、大野主将の苦悩
三度の全日本選手権に出場し、2年生のときに第2回東西対抗日本一決定戦甲子園大会に西日本選抜として出場した大野は「強豪相手に厳しい試合になると思っていた。各回を最少失点で抑えることはできたが、反撃を許してもらえず悔しい結果になった」と語った。
今後のチームについては「試合には負けたが、後輩たちが全国の舞台を経験できたことは大きな糧となると思う」と後輩たちの活躍を願っていた。
今大会で徳島文理大学準硬式野球部を引退することとなった大野。チャンスに強く、広角に打ち分ける打撃と、捕手として卓越した配球でチームを引っ張ってきた中で、実は大きな苦悩もあった。
全国1勝を目指した徳島文理大学だが、0-5で敗戦し悔しい結果に。
高知・梼原(ゆすはら)高出身の大野選手は四国代表として9ブロック大会に臨む
今後のチームについては「試合には負けたが、後輩たちが全国の舞台を経験できたことは大きな糧となると思う」と後輩たちの活躍を願っていた。
今大会で徳島文理大学準硬式野球部を引退することとなった大野。チャンスに強く、広角に打ち分ける打撃と、捕手として卓越した配球でチームを引っ張ってきた中で、実は大きな苦悩もあった。

徳島文理大学は2022年、2023年とも春季四国一部リーグで優勝、全日本選手権に出場し、四国地区主要大会を全大会優勝するなど無類の強さを誇った。そんな中、2年秋から主将となった大野にかかる重圧は大きなものだった。全国の舞台を共に経験した頼りになる先輩たちは引退し、ガラッと変わった新チームでもう一度全国の舞台に立ち、1勝するために、もがき苦しみながらも大野は堂々とチームを引っ張っていた。しかし、迎えた3年春、初戦を落とし全日本選手権への道が閉ざされると、清瀬杯をかけた最終戦で大敗。2年続いた全国出場が途切れ、目標としていた全国で一勝は叶わなかった。
チームは世代交代を迎え、大野は引退も考えていたが、チームに残りこれまでの経験を後輩たちに伝えていくことに決めた。新チームで秋リーグを優勝すると、後輩たちは勢いそのまま春リーグは接戦を勝ち抜き全国大会の場に戻ってきた。

11月、香川開催の9ブロック大会
大野にこの栄光と苦悩に溢れた4年間の準硬式野球を振り返ってもらった。
「野球の技術はもちろんだが、チームの運営や社会人として必要なスキルを身に着けることができました。特に、甲子園球場で野球をすることができたのは最高の思い出になった。改めて準硬式野球の楽しさや魅力に気付くことができ、心の底から楽しむことができた」と語った。
15年間の野球人生について、「ここまで自分を成長させてくれた両親、チーム、監督、応援してくださった方々に感謝しかない。準硬が好き」と話す大野は11月14日開幕の9ブロック選抜大会に四国選抜メンバーとして出場予定。21日に甲子園で決勝戦が行われる。
徳島文理大学を引っ張り、四国地区の最前線を走ってきた大野が、まもなく集大成を迎える。地元・四国で周りへの感謝と準硬が好きを体現した最後の宴が始まる。
(取材・文/愛媛大学4年・清水陽真=広島学院)
「野球の技術はもちろんだが、チームの運営や社会人として必要なスキルを身に着けることができました。特に、甲子園球場で野球をすることができたのは最高の思い出になった。改めて準硬式野球の楽しさや魅力に気付くことができ、心の底から楽しむことができた」と語った。
15年間の野球人生について、「ここまで自分を成長させてくれた両親、チーム、監督、応援してくださった方々に感謝しかない。準硬が好き」と話す大野は11月14日開幕の9ブロック選抜大会に四国選抜メンバーとして出場予定。21日に甲子園で決勝戦が行われる。
徳島文理大学を引っ張り、四国地区の最前線を走ってきた大野が、まもなく集大成を迎える。地元・四国で周りへの感謝と準硬が好きを体現した最後の宴が始まる。
(取材・文/愛媛大学4年・清水陽真=広島学院)