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全日本2連覇の立役者たち。中央大学の”MVP”が語る、勝利の軌跡

学生たちが自ら執筆する連載企画「学生が描く、第77回全日本大学選手権大会」。連載第4回目は、関東地区編。5年連続42回目の出場を果たした中央大学です。連覇のプレッシャーがかかる中、2回戦で春の関東王者・明治大学とリベンジマッチ。2ー1で接戦を制すと、勢いそのままに全日本の頂点に立ちました。今大会の投打のMVP、そして影のMVPと言われた3選手の声をご紹介します。

 

投のMVP・大山北斗(4年=興南)の声

 全国大会二連覇を達成し、投手としてMVPを頂くことは本当に光栄です。大学生活最後の大会を無失点で投げ切れたことは、自分にとって大きな自信となりました。仲間や指導者、支えてくれた方々のおかげで最高の形で締めくくることができ、心から感謝しています。
 明治大学戦での「7回1アウト一・三塁」の場面が最も印象に残っています。マウンドには一年生の葛西が立っており、絶対に1点も与えてはいけない緊迫した状況でした。関東大会で一度敗れている相手に再び負けるわけにはいかない、ここで自ら投げなければ一生悔いが残るそう強く思い、自ら志願してマウンドへ上がりました。必ず抑えてベンチに戻ろうと心に決め、結果として2者連続三振で切り抜けることができました。

打のMVP・山口剛大(3年=大崎)の声

 今大会は2連覇を目標に臨んだ大会だったのでその目標を達成できて良かったです。また打撃でチームを引っ張ることができ良かったと思います。
 印象に残っているシーンは初戦の中京大学さんとの試合で1ー0の場面で2点タイムリーを放ったときです。中々追加点が取れずに苦しんでいたのでなんとか投手を楽にしようと良い打撃が出来ました。

影のMVP・今野航来(1年=八戸工大一)の声

 初めての全日本大会で、優勝する事が出来たのがとても嬉しかったです。私は、怪我のため選手としてはチームに貢献できませんでしたが、サポート役やスコアラーとしてチームに貢献出来たのは良かったです。大会を通して、先輩方の本気で日本一を目指す姿勢や熱意を間近で感じられてとてもいい機会になりました。
 印象に残っているシーンは、国士舘戦の9回の攻撃のシーンです。同点の場面でキャプテン相野さんから始まって、泥臭くやるというチームのテーマの中で、サードのボテボテのゴロでしたが何とか塁に出て、繋いで、練習してきたエンドランで点数を取り、勝てた事が印象に残りました。また優勝した瞬間もとても印象に残っています。先輩方が日本一になる瞬間をベンチで味わえてとても嬉しかったです。

 

編集後記

 連覇の偉業を成し遂げた中央大学の勝利の裏には、投打の中心選手だけでなく、チームを支える存在の活躍もあったことが伝わってきた。3名のMVPが語ってくれた言葉からは、勝利への強い意志と、チームへの感謝の気持ちがひしひしと感じられた。彼らのたゆまぬ努力と、互いを信じ抜く結束力が、チームを全日本の頂へと導いた最大の要因に違いないと思った。

(取材・文/成蹊大4年・今村太陽=鹿島)