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「九州準硬オールスター杯」レポート【前編】

 今回、昨年度の九州地区の躍進を踏まえて、「つながる、広がる、九州準硬式」をテーマに第1回九州準硬オールスター杯を7/5〜6に福岡大学野球場・久留米大学藤山球場・西南学院大学田尻グランドの3カ所で開催いたしました。今大会は学生が企画し、球場手配、クラウドファンディング、記念品作成、大会広報のすべてを学生で行い、大会を一から作り上げました。大会のレポートを前後編でお伝えします。

【参加チーム】
九州六大学
福岡県大学
南九州大学
医歯薬大学
全九州4年生
長崎県大学

7月5日(土)大会1日目
▽予選リーグA/福岡大野球場


・第1試合
九州医歯薬連盟3-0福岡県大学
 大会初戦、この球場で最初に主導権を握ったのは医歯薬大学連盟でした。福岡県大学連盟との1試合目、産業医科大のエースで5番打者・古本純大(6年)が投打にわたる活躍で試合を支配。投げては6回無失点の好投を見せ、打っては4回に三塁打を放つと、続く内野ゴロの間にヘッドスライディングでホームを陥れ、貴重な追加点を挙げました。昨年の9ブロック大会で九州地区選抜にも選出された実力者が、投打で存在感を発揮しました。
 さらに、全日本大会の予選となる九州地区選手権大会にはチーム事情で出場のなかった福岡大医学部・玉那覇幸祐(4年)が7回から登板。鋭い変化球と右打者の内角を突くクロスファイヤーで相手打線を封じ込め、危なげなく試合を締めました。
 医歯薬大学連盟は盤石の投手リレーと要所での効果的な得点で3-0の完封勝利を収め、好スタートを切りました。

福岡県リーグ選抜


・第2試合
福岡県大学 2ー2 4年生選抜
 大会終盤、負ければ後がない福岡県リーグと4年生選抜による一戦は、息詰まる投手戦となりました。福岡県リーグは九州産業大・本田岳(3年)、九州共立大・綾部倖太(3年)、九州産業大・田中翔(3年)の九州選抜経験者の投手リレー。一方、4年生選抜も九州大・谷口源(4年)、久留米大・北原淳嗣(4年)の昨年甲子園大会・九州地区選抜コンビが力投を披露しました。
 また、試合中にはオールスターならではの采配も。北原と福岡教育大・猪俣洸生(4年)は高校時代、佐賀県・鳥栖高校でバッテリーを組んでおり、この試合で4年ぶりに公式戦でコンビを再結成。2イニングを無失点に抑え、観客を沸かせました。
 試合は最終回、4年生選抜が二死満塁のチャンスを迎えるも、守護神として登板した九州産業大・田中翔(3年)が落ち着いて切り抜け、勝負は2-2の引き分け。両チームの意地と絆が随所に光る熱戦となりました。

北原、猪俣バッテリー

 

・第3試合
4年生選抜10-0医歯薬大学(5回コールド)
 1試合目で快勝し勢いに乗る医歯薬大学の連勝を止めたのは、4年生選抜チームでした。前の試合で好リードを見せた福岡教育大・猪俣洸生(4年)が今度は先発のマウンドに立ち、大学進学後に本格的に投手へ転向したとは思えない落ち着いた投球で3回無失点の好投。要所を締めるピッチングで医歯薬打線を封じ込みました。
 攻撃陣も爆発。注目の九州産業大・吉村航之介(4年)が途中出場ながら2安打と存在感を示し、スタメン出場の久留米大・麻生琉偉(4年)は二盗・三盗を決めるなど機動力を絡めた多彩な攻撃で得点を重ねました。
試合は終始4年生選抜のペースで進み、10ー0の大差で快勝。この勝利で決勝リーグ1位通過を決め、優勝に向けて大きく前進しました。

福岡教育大・猪俣洸生(4年)

九州産業大・吉村航之介(4年)


▽予選リーグB/久留米大藤山球場

・第1試合
九州六大学 12-1 長崎県リーグ
 優勝候補と目された九州六大学が、その実力を存分に発揮しました。2回、長崎県立大の福田一葵(2年)から好機を作ると、福岡教育大・栗山俊翔(3年)の適時打で先制。続く3回には連打と機動力を絡めてさらにチャンスを広げ、久留米大・宮原日向(2年)がライトオーバーのランニングホームランを放つなど、一気に流れを掴みました。その後も攻撃の手を緩めず、5回までに計12得点を挙げる猛攻を見せました。
 一方、投げては福岡大の原田陽太(3年)が先発。4イニングをわずか1安打無失点に抑える完璧な投球で相手打線を寄せ付けず、投打で試合を圧倒しました。

・第2試合
南九州連盟 5-0 長崎県リーグ
 第2試合は序盤から両投手の好投で膠着状態が続きました。長崎県リーグの先発・長崎県立大・横尾文太(1年)は初回に押し出し四球で1点を失うも、その後は落ち着いた投球で2回以降無失点に抑えます。一方、南九州連盟の先発・鹿児島大医学部・堤隆之介(6年)は圧巻の投球を披露し、相手に三塁を踏ませぬ完璧な内容。
 試合が動いたのは6回。南九州の宮崎大医学部・竹内壮吾(4年)がレフトスタンドへソロホームランを放ち、貴重な追加点を奪うと、その後も7回・8回と着実に加点しリードを広げました。
 堤は最後まで安定した投球を続け、118球で完封勝利。南九州連盟が投打で長崎県リーグを上回り、勝利を収めました。

・第3試合
九州六大学 10-4 南九州連盟
 第3試合は序盤から九州六大学が攻勢をかけました。初回、福岡教育大・高橋悠悟(3年)が安打と盗塁で好機を作ると、九州大・武澤颯大(3年)の三塁打で先制。その後もこの回に2点を追加し、試合の主導権を握ります。
 しかし6回、南九州連盟も反撃。九州六大学3番手の佐賀大・甲斐隼(3年)を攻め立て、前の試合で本塁打を放った宮崎大医学部・竹内壮吾(4年)、鹿児島大医学部・田中太朗(4年)の適時打で同点に追いつきます。
 追いつかれた九州六大学はその裏、主将・大田風祐(西南大・3年)の三塁打から好機を作り、福岡大・藤井啓輔(2年)のタイムリーで勝ち越し。その後も得点を重ね、最終的に10得点を奪い、激しい打撃戦を制しました。
 これにより、6日の決勝リーグへは、九州六大学と4年生選抜が進出。医歯薬連盟と南九州連盟が3位決定戦。福岡県リーグと長崎県リーグが5位決定戦へと進みます。

文/川原巧太郎(福岡教育大4年=春日)